2005年5月12日版

京都の素敵な暮らし」をテーマに、様々な人・場所・物を取り上げていきます。

 VOL.2  『心育て』をテーマに子どもの夢を育む 花田睦子さん
(「えほん館」館長)

平成11年4月29日、西京区上桂の閑静な住宅街の中に“えほん館”が再オープンしました。
館長を務める傍ら「こすもきゅーぶ」という知育パズルの開発にも関わった花田さんに、
絵本と関わることになったきっかけ・想いや、「えほん館」開設に至るまでの経緯などをうかがいました。

高校を卒業し、証券会社に就職。21歳のときに、ある一冊の絵本との出会いが、その後の花田さんの人生を大きく変えました。
OL時代から絵本に関する無店舗の通販や、イベント事業、企画をはじめたのが、1987年。
5年後に、伏見で店舗をオープンさせ7年が経ち、1999年4月29日に上桂に店舗をオープン。
その後、
2000年に、一旦店舗を閉めて、生協にテナントとして入ったものの、経営がうまく行かずにバトンタッチ。

今の上桂に戻って再度チャレンジというかたちで自宅を改装し、再出発し、現在に至っています。
「夢を売る仕事だから、設定も大切だと痛感し、同様に経営の難しさも学びました」と、これまでのご苦労を思い出して語る花田さんです。
きっかけは、『ペツェッティーノ』・・・
まず、絵本に関わることになったきっかけはなんだったのでしょうか?やはり子どもの頃から絵本が好きで?

そうですね。子どもの頃から絵本は好きでした。でも、決定的に人生を変えた"きっかけ"というのがあるんです。
21歳の時なんですが、京都駅のAVANTIに大型書店がちょうど出来た頃で、足を運んだ折出逢ったのが、この本です。『ペツェッティーノ』というんですが・・・。
これは、小さなひとかけらが、「自分は誰の部分品なんだろうか」と疑問を持って冒険をはじめる話なんですが、最後に、自分は誰の一部分でもなくて、ちゃんと独立したひとつの「じぶん」であることに気づくというお話なんです。ちゃんと、意味があって、そこに居るんだっていう・・。これまで、高校を卒業して証券会社で働き、自分も大きな組織の中の一部分という意識しかなかったので、この絵本を読んだときは、もう泣けて泣けて・・・涙が止まりませんでした。

この「えほん館」をオープンするまでの経緯を教えてください?

はい。21歳のときに出逢った本によって"絵本に関わる仕事をしたい"と思うようになり、まず、無店舗で絵本の通販や、イベントを企画したり、手掛けたり・・・それを5年ほどやったんですよ。その後、伏見に店を出すことになったんです。そこで7年間やっていました。そして、もともとクリーニング屋だったここ(上桂)に、1999年に移って来たんです。
2000年に、一旦ここを閉めて、宇治の生協さんにテナントで入ることになりましたが、なかなか、うまく行かなくて・・・。結果、半年で出ることになり、またここに戻ってきました。
先ほど、お客様に言われて気づいたんですけど、実は、1999年の今日(取材日4月29日)が、この「えほん館」を再オープンした日なんですよ。


この「えほん館」のテーマは?
「こころ育て」です。
〓好きな絵本だけに、色々と苦労されたこともあるのでは?=

本当に、苦労しました。"生活の基盤は他にあって、趣味でお店を・・・。"というのでしたら、まだ気持ちも楽なんですけどね。この仕事で生計を立てて行こうと、全部自分なりに試行錯誤で現在まで続けて来ましたので、なかなか・・・。生協さんでやらせていただいたときも、テナント料を払いながらの経営の難しさを学びました。

ここにならんでいる絵本は、どのような基準で選ばれていますか?

そうですね。ただ好きな本を並べるだけでなく、偏らないように心がけています。
ただ、今、自分が興味のある環境系の本に関しては、意識して紹介したりはしています。
"0歳から100歳まで、あるいはそれ以上の方にも楽しめる空間作り"を目指していて、もっと広いジャンルの本を扱いたいんですけど、絵本の中には「なんだ、私の伝えたいメッセージはこの中に全部書いてあるじゃない!!」っていうのも多くて・・・。それで、絵本が多くなってしまったわけです。



あ、手塚治虫の『ブッダ』なんかもあるんですね。

これは、小学4年生の子が"はまって"ましてね。もうかれこれ4回も全巻を繰り返して読んでるんですよ。時間を見つけてここに居座って本当に真剣に読んでいて、「じゃあ、この本は、君のためにここに置いとくからね」なんて言って・・・。小学4年生で"はまる"というのは、私の周りでは最年少です
でも、もうこのシリーズは、ご覧のようにもう売り物にならないくらいくたびれてきちゃったんですけど(笑)。
絵本の販売のほかには?

保育園、幼稚園などに呼ばれて、お話をさせていただいたりもしています。
「読み聞かせ」なんかをやっていらっしゃる語りのプロはたくさん居ますので、自分は語りのプロではなきけれども、絵本を読むお母様方向けに「心育て」などの講座は喜んでさせて頂いています。あまり、堅苦しくなくて、「ちょっとお話を」っていう雰囲気であれば、トコトコ出掛けて、喜んでお話させて頂いています。加えて、いろいろなところからお声かけを頂いて、企画展や展示会、それにリンクしたイベント、講演会などもやっています。


←2ヶ月に一度発行される館長手作りの「ともだち」

〓環境系の本もあるんですね〓

今、興味があることなので、みなさんにお勧めもしています。環境に関するNPOの本などもありますよ。
つまり、子どもたちをとりまく世界そのものが美しくあって欲しいという個人的な想い、願いもあって、大人の方々に"より強く"環境問題にも眼を向けていただきたいという視点から、えほん館の大人向け書籍は構成されています。今後益々充実させていければ、と考えています。
知育パズル「こすもきゅーぶ」の開発

〓これは、なんですか?〓

これはですねーーー。「こすもきゅーぶ」っていうんですが、実は、このパズルの開発にも、ちょっと関わっていまして・・・

基本は、この2個のパーツなんですけど、これを、組み合わせることによって、いろんな形ができるんですよ。
そこの窓に飾ってあるのも、じつは、これを使って作ったものなんです。



このパズルを解く最短時間の記録が今のところ11時間16分です。
京都に"パズルの博士"というか、名人みたいな人がいて、その人のところにも持っていったんですけど、開発に関わってない人で今までこのパズルを解けたのはその方だけ。その方にも、「これは、非常に完成度の高いパズルだ」と、お墨付きをいただきました。
軽くて紙で出来ているように見えますが、樹脂製なので、どんなにチャレンジしてても破れることはないんですよ。
とにかく、もう、組み合わせ次第で、いろんな形が出来ます。
2種類あって、このパズルの仕組みというか、遊び方をパズルにして解りやすく学べるのが、こっちの絵のシールがついてあるほうです。
もう、それはそれは、大人から子どもまで、しっかり"はまって"遊べますので、是非、挑戦して記録を破って下さい。







「こすもきゅーぶ」もそうですが、"子どものためにもいいものを"という地域との関わりの中から新たな人との交流が始まり、この「えほん館」も育てられています。例えば、こちらの「京都・暮らしの美学研究所」のサイト内の、「私のオススメ『京都本』」のコーナーで登場している木村綾子さんとの出会いでも、また新しいネットワークが生まれそうで・・・。
私は、パソコンは全然使えないし、ネット人間ではないので、それが今後の課題でしょうか(笑)?  是非、またお立ち寄りください。

【花田睦子(はなだむつこ)さん  プロフィール】

福岡県生まれ。両親の仕事の関係で4歳で京都に。 幼い頃より父親の膝の上でで絵本を読んでもらったこと、小学校の担任先生が本好きだったことなどから、本の世界が大好きな子ども時代を送る。大学に進学しかけたときに、「やりたいことが無いのに大学?」との疑問を持ち、突如進路変更し、証券会社に就職。その後、1983年、一冊の絵本と出会い"絵本は子どもだけが読むものではない!絵本とは凄い力を持っている"と再び絵本の世界へ。無店舗ではじめた「えほん館」からスタートし、現在に至る。




上でご紹介しました「こすもきゅーぶ」の当選者は!
京都市のアミダラさんです。おめでとうございます。


"こころ育て"スペース 「えほん館」
0歳から100歳まで


あー。子どもの頃、読んだ!!という、『ノンタン』シリーズや『ぐりとぐら』シリーズは勿論、大人が泣けると評判の『100万回生きたねこ』や復刊した『ちびくろさんぼ』、更に『ぱらぺこあおむし』のカードやぬいぐるみ
、大型書店ではなかなかお目にかかれないような絵本なども、ずらりと並んでいながら、圧迫感のないとってもあたたかいスペースです。
「何歳くらいの子が読むんですけど、〜が出てくるような絵本を探しているんです」なんていうアバウトなリクエストでも、きちんと応えてくれますよ♪

 【えほん館】
  〒615-8221 京都市西京区上桂北ノ口町14-27
   電話:075-383-4811 FAX:075-383-4810

   *午前10時〜午後6時
   *定休日は月曜・火曜
   *駐車スペース1台有り


えほん館 私設応援サイト

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