2005年2月15日版

<VOL.3> ベンチャー起業の育成・支援に情熱を注ぐ

 神戸商工会議所  多井 康子さん

第三回目は、ベンチャーや中小企業の育成と支援に尽力されている多井康子さんにお話を伺いたいと思います。

  〓Interview〓

Q. まず、多井様がどのようなお仕事をなさっているのかお話いただけますか?
A. 現在、起業を志す方や創業間もない方の支援のほか、既存企業の経営革新をお手伝いするという仕事を担当しています。「KCCI創業塾」(ベンチャースクール)やセミナーなどを開催するとともに、開業に向けた個別相談に応じています。コーディネーターや中小企業診断士などの専門家がキメ細かく対応し、適切なアドバイスを行っていますので、いつでも気軽に相談できる場所としてご利用いただきたいですね。
大学卒業後、神戸商工会議所に入所し、経理・人事・広報などを担当してきました。特に、阪神・淡路大震災後、地域経済の復旧・復興に向けた事業にも携わりました。創業支援関連事業は平成11年4月から担当していますので、もうすぐ丸6年になります。

Q. 今まで経験なさってきたお仕事の中で、最も困難であったことと、また、それをどのように克服してこられたかをお教えください。
A. 創業支援関連事業は、神戸商工会議所としても、本格的に体系立てて実施している事業です。会議所はもともと趣旨に賛同した会員の方を対象にした事業を行ってきましたが、創業支援関連事業の対象は、一般の方々、例えば、会社員・学生・主婦などです。どのような事業内容にすれば、そのニーズにマッチするのか、さらに、実施する事業をどのようにPRしていけばいいのかなど、手探りで実施してきました。
おかげさまで、外部の専門家の方々や県内外の支援機関、大学の先生方のお知恵とお力を借りることができ、何とかここまでやってきました。


Q. 現在なさっているお仕事の、どのような部分に魅力を感じていらっしゃいますか?
A. 「KCCI創業塾」(ベンチャースクール)は昨年7月で第6期を終了し、卒業生が355名になりました。毎年2月に実施している「卒業生追跡アンケート調査」では、昨年末までに"予定"を含めて78名が「開業」と回答されています。今年の調査はまだ行っていませんが、昨年の調査時点で、開業率は24.6%でした。今後も自分の夢に向けて努力している方々に、微力ながらお役に立てればと考えています。  また、私自身も創業支援関連事業を通じて、外部のいろいろな分野の方にお目にかかる機会が増え、多くのことを学ばせていただいています。
Q. “自分はこれをやり遂げた”という達成感を持っていらっしゃることはありますか?
A. もう17年前になりますが、経理と人事について自社コンピューターで処理ができるようにシステム化したことです。特に経理は、オリジナルのシステムで1から開発に参加しました。実際に使う側の立場をシステム開発者の方に理解してもらうのは、たいへんでしたが、そのシステムが微調整されながらも15年以上も使用されたことに満足しています。
現在担当している創業支援関連事業では、毎年少しずつ新しいことにチャレンジするようにしています。「KCCI創業塾」(ベンチャースクール)を夏頃に、イベントなどを秋以降に開催していますが、その開催結果を検証し、外部の方々のご意見を伺いながら、次年度は何をどのように展開していくのかを考えています。
平成11年度、「KCCI創業塾」と起業応援セミナーだけだった事業に、「KCCI創業塾ベンチャーサロン」(平成12年度)や「あなたのビジネス応援し隊」(平成13・14年度)など、「場」を提供する事業を加えていきました。「KCCI創業塾ベンチャーサロン」は、ベンチャーキャピタルの前でビジネスプランを発表し、そのプランが一体いくらぐらいの投資額になるのかをゲーム感覚で楽しんでもらう交流会、「あなたのビジネス応援し隊」は、ベンチャーキャピタルや監査法人、弁護士、税理士などの専門家が創業予定者などに対して、自社事業をプレゼンテーションするセミナーです。
また、平成15年度には「KCCI創業塾」5期開催記念として、「ひょうご・ベンチャービジネスフェア in 神戸」と題し、創業間もない企業と大手企業との販路開拓マッチングイベントも開催しました。

Q. 今までの人生において、“女性であること”のメリット/デメリットはありましたか?
A. 特に“女性であること”を意識して仕事をしていませんが、強いて挙げるなら、大勢の男性の中にいると色々な意味で目立つということでしょうか?
Q. またスタート地点に戻って人生をやり直すことができるとしたら、どのように変えたいとお思いですか?
A. いろいろ思うこともありますが、特に変えたいと思いません。
Q. 仕事の中でインターネットの導入は、どのような変化がもたらされましたか?
A. 国内外から情報がほしいときに、自由に入手できるというのは、とても助かります。特に、電子メールは忙しい相手にもきっちり要件が伝わりますので、電話を何度もかけたりする手間や、伝言がうまく伝わらないということがないので、重宝しています。さらに時差を考慮することなく、それぞれのペースで仕事ができるのもありがたいことです。
しかし、さまざまな情報伝達手段を選べる時代だからこそ、お互いの顔を見て、話をしなければ伝わらないものがあることを忘れてはいけないですね。

Q. 今後、どのような形で女性のネットワークを活用していくことができるとお考えですか?
A. 女性に限らず、さまざまな分野の方々と連携を図ることは、とても大切なことです。違った角度からのものの見方や考え方に気づかされ、勉強になります。
ネットワークを広げることは簡単なのですが、それを維持していくには、日々の細かい心遣いの積み重ねが大切だと思います。せっかくできた"ご縁"ですので、少しでも皆様のお役に立てるように努力しているのですが、まだまだ皆様に助けていただいてばかりです。

Q. これから人生設計を始める若い女性たち、後輩たちにアドバイスをいただけませんでしょうか?
A. 時代の流れはますますスピードを上げ、もはや日本だけという視点で物事を考えることはできません。自分の人生をデザインするにあたり、近視眼的にならず、なりたい自分を想定し、その自分に対して今はどうするのかを考えてみたらどうでしょうか。男女を問わず、いろいろな方にお目にかかって、その生き様に触れることもいい刺激になると思います。
Q. 多井様の今後のご予定、展望、計画などについてお教えください。
A. 阪神・淡路大震災以後、地域活性化に向けて、創業支援関連事業を通じて、いろいろ仕掛けてきました。今後も、大学の先生方や専門家の方々、県内外の支援機関ともさらに連携を図り、創業予定者や創業間もない企業経営者はもちろん、既存企業の経営者の方々に対しても、"応援"事業を地道に続けていきたいと考えています。1機関ですべて解決できることはほとんどありませんので、その課題ごとに外部の方々とチームを組んで、少しでもお役に立てるように努力していきたいと思っています。
直近のイベントとしては、2月25日にベンチャーコミュニティーの協力を得て、マッチング会を開催します。震災10年という節目でもありますので、通常大阪で開催されている定例会も同時に神戸で開催していただくことになりました。創業間もない企業にとって、資金調達とともに販路開拓は大きな課題ですので、そのきっかけとなる「場」を提供しようというものです。これからも、さまざまな切り口で「神戸流」の"応援"事業を展開していきますので、ご期待ください。


本日はお忙しいなか、お時間をいただきまして本当にありがとうございました。

◆多井康子さんの プロフィール ◆

大学卒業後、神戸商工会議所に入所し、経理・人事・広報などを歴任。10年前の阪神・淡路大震災以降は、地域経済の復旧・復興に向けた事業にも携わる。平成11年4月より、創業支援関連事業を担当している。


神戸商工会議所につきましては、こちらのホームページをご覧ください。
http://www.kobe-cci.or.jp/

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